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声優の技術だけでは仕事は取れない

ちょっと「え!?」と思うタイトルかもしれないですが、今回はこの点について深堀していきます。

まず最初に考えることは「仕事=お金を稼ぐ」ということを見た時の「価値」の位置付けです。

声優における価値とは?

誰もが一番わかりやすい価値は「品質」です。

それは声優で言えば技術です。

演技力、トーク力、人間性…。

さまざまな切り取り方ができますが、そのどれをとっても、「声優の技術」でしかありません。

例えばラーメンであれば、麺の種類、茹で加減、スープ、具材などなど、ラーメンという一つの商品にもさまざまな部分で品質が求められるのはわかりますよね?

演技はできるけど、トークが下手とか、演技はいいけど人間性が悪いとか…。

それは結果的に「声優としての品質を下げる」という結果になります。

声優のタレント化で求められる基準が上がった

声優の仕事は演技ではありますが、「演技力」だけが求められていることではありません。

ラーメンと同じように、さまざまな品質をあげることが求められています。

昨今では、人気タイトルで歌をやったり、ライブをやったり。

特にソシャゲ発のコンテンツでは、どうしても音楽主体のアプリが多いため、歌って踊れることが条件として求められるケースもあります。

声優という「裏方の職人」から「タレント化」したわかりやすい例でしょう。

それも声優というものの価値であり、それが仕事をすることに繋がり、それが結果お金を稼ぐことにつながります。

お金と価値と仕事について

お金というのは、わかりやすく「価値」を数値化したものです。

100円で買えるものは100円の「価値」として見られていて、10,000円で買えるものは10,000円の「価値」としてみられています。

そこに価値があれば、仕事に繋がり、お金になります。

声優としての「技術」というものを磨いていくことは大切なことですが、それだけで「価値」がどこまで高まるかというと難しいところです。

声優というのはそもそも薄給です。

結構問題になりましたが、鬼滅の刃で花江くんが「15,000円で仕事を受けた」という話もありました。

花江くんはもうそんなギャラでやるような声優ではありません。

それでも、その作品に出られるなら15,000円でやりますと言って仕事を受ける。

では、新人と同じ価格で花江くんが仕事を取ったとしたら、あなたの元に「技術」だけで仕事は回ってくるでしょうか?

答えは「No」です。

技術も知名度も圧倒的に花江くんのが上ですから、新人に仕事はきません。

声優の技術ばかりを求めても、そこには太刀打ちできないのです。

声優は引退も遅いですし、年齢も関係ないので、同じ役を奪い合う先輩がゴマンといます。

そこに必要になってくるのが最初に伝えた「価値」というポイントです。

あなたに価値があれば仕事はありますが、価値がなければ仕事はありません。

そして価値は「技術」だけではないのです。

技術以外の付加価値をつける

価値というのは、品質以外にもあります。

例えば、わかりやすくレストランで言えば、「料理のおいしさ」は品質です。

プラス「インスタ映え」があればそれは付加価値になるでしょう。

それは、インスタというツールを知っていて、SNSが拡散されるという仕組みを知っていて、そこにはどんなものが求められているかを知っているから、「映え」というアプローチができます。

ただ美味しいだけじゃなく、映えによって、別の側面も満たされる。

それが付加価値になります。

付け加えたら価値?

付加価値というと「何かを付け加えること」だと勘違いしている人もいます。

付け加えるから価値が上がるのではありません。

そこに「価値を追加する」から価値が上がるのです、当たり前ですね。

例えば「モナリザ」の絵画にあなたがサインをしたとしましょう。

モナリザの価値はもはやゴミ同然まで下がります。

それは「付け加えたことによる損失」であり、付加価値ではないのです。

増やしたからプラスになるわけではなく、価値を増やすからプラスになるわけです。

それが付加価値において大切なことです。

つまりは、あなたが思っている付加価値が、実は付加価値ではない、という可能性があるということです。

これ、めっちゃ大事です。

付加された価値の例

逆に、付加したものそのものが価値になるということもあります。

マクドナルドのハッピーセットではおもちゃのおまけがついてきます。

ハッピーセットは基本的に「子供向け商品」ではありますが、おもちゃの需要が「その作品の好きな大人」にまで及ぶため、タイアップする作品によっては、即おもちゃが完売ということもあるのです。

最近だとカービィのぬいぐるみか何かが、即完売になってましたね。
転売ヤーによるところも大きいですが…。

これは、ハッピーセットの付加価値がおもちゃにあるということではなく、おもちゃそのものに価値を見出しているということになります。

この場合の価値は主力商品の「ハンバーガー」ではなく、「おもちゃ」なのです。

価値をどこに見出すかということが今回のポイントですが、あなたは「技術」以外に何がありますか?

そして、どういったものが「付加価値」として使えるのかを一度考えてみてください。

今の時代の価値の創造

今、世間的にも求められているものは「◯◯×●●」のような掛け合わせです。

アメトーークで火がついた「◯◯芸人」シリーズはこれですよね。

家電芸人、エヴァ芸人などなど、芸人という一つのジャンルに別のジャンルを掛け合わせた企画でした。

これってかなり理にかなっていて、新しい価値を創造するためには必要なことなんですよね。

そして、その掛け合わせるものが軸となるところから離れていれば離れているほど、効果的です。

例えばこれが「ラジオパーソナリティ×芸人」だったとしたら、そんなに面白いものにはなりません。

どちらも「話す」ということを軸にした仕事ですし、芸人の多くがラジオパーソナリティをしているので、別の職業というよりは近い職業なのです。

例えば、「声優×俳優」も掛け合わせるものとしては効果が薄いです。

今の声優業界で言えば、歌手×声優、ダンス×声優というような掛け合わせもよく見かけますが、これも今では当たり前になってしまっています。

今から真似しても新たな価値の創造は難しいですよね。

ただ勘違いしてほしくないのは、価値がないわけではないということです。

声優一本という人よりは、ダンスが出来たり、歌ができる人の方が「価値」は高いので、それが仕事に繋がることもあります。

面白い付加価値の例

この例でいえば、声優の小岩井ことりさんは素晴らしい価値を作っています。

彼女は音響オタクなので、音響関連のイベントに呼ばれているのをたくさん見かけます。

音響×声優という掛け合わせは、今の声優業界では「新しい価値」だったわけです。

このようにあなたが声優として仕事をする上で「声優」という軸に別の何かを掛け合わせることができれば、より仕事が増えるわけです。

世の中の仕事の多くはこのような形で回っていきます。声優として仕事をする上でも大切な考え方なので、是非考えてみてください。

例えば、まつやの例

例えば、僕の場合は、自前で音響ブースを持っていたので、当時は珍しく宅録環境を整えていました。

2015年ごろの話なので、今のような宅録ブームみたいなものは全くありませんでした。

宅録ができるだけでなく、収録と編集ができるというところが大きなポイントでした。

収録編集から仕事を受けて、声もやるというスタイルができたのです。

今はそれが、収録編集+キャスティングという事業になっているのです。

収録と編集ができる技術と設備を持っていたこと、きちんと認められる声優としての技術力があったこと。

それが僕が声優として仕事をスタートできた要因でしたし、いま小さいながらも会社として経営するにいたったスタート地点だったのです。