
お気に入りに追加あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
前回の記事の続きです。
「とりあえず、声優になるためのとっかかりとして、専門学校や養成所に通おう」という考え方が、ごくごく一般的なのかもしれない。
でも、それだけが声優になるための道というなら、それは「考えが足りない」と言わざるをえないのです。
声優になるという道は「自分で考えて進む道」です。
そこには、背中を押してくれる人はいても、すべてを教えてくれる人はいません。
小中高のようないわゆる学校と違って、「頑張れば評価される」という世界ではありません。
学校に通ったら、声優になれる!
その考え方をしている限り、絶対に声優の道は開かれません。
声優=俳優=演技をするのがお仕事
何度もお伝えしていることではありますが、声優というのは俳優の一つの仕事であり、演技をするのが主な仕事です。
「声優になれたらいいな」と思っている人の多くは、アニメファンや、ゲームファン、声優ファンなのではないでしょうか?
別にそれが悪いというわけではないですが、「ファンの延長線上にある願望」のままでは、決して声優にはなれないということは肝に銘じておいてほしいです。
演技や表現に対して、情熱を持って取り組むことができるかどうか。
それが実際大切なことなんです。
森川さんの養成所時代の話
僕が勝田声優学院に通っていたころ、卒業生であり大先輩でもある森川智之さんが、養成所で講演をしてくださる機会がありました。
今でも記憶に残ってる養成所時代の逸話があります。
養成所に通っていたころ、レッスンが終わった後にみんなで飲みに行っていたそうです。
そこでクラスメイトたちにたらふくお酒を飲ませて、「よし、これでこいつは家に帰って寝てしまうだろう。僕はそのぶん外郎売でもやって、差をつけるんだ」と、酔っていながらも外郎売を練習されたそうです。
疲れていても、酔っていても「今日やったことが明日につながる」と思って、しっかりと練習するという姿勢が、今の森川さんの下地を作っているのです。
当時の森川さんも、1人の養成所生でしかなく、名もなき1人の青年でしかなかったと思います。
それは、今のあなたと同じなのです。
プロになるために、コツコツと努力を積み重ねた結果が、今に繋がっているわけです。
やれることは、まだまだあるのではないでしょうか。
声優は誰もがなれる職業ではない
世の中には数多くの職業があります。
営業マン、事務員、設計士、税理士、先生…、その多くが、努力すれば多くの人が就ける職業です。
ですが、声優は、誰もがなれる職業ではありません。
資格試験があるわけでもないので「これができたらプロです」という明確な基準もありません。
演技力、人間性、センス、そして運も含めて、いろいろなものが噛み合って初めて成立する職業です。
職業というから勘違いすると思っているので、僕はいつも「声優になること、俳優になることは生き方の選択」だと伝えています。
一般的な職業との大きな違い
基本的に、職業を名乗るのであれば「安定した収入がある」ということが大前提ではないでしょうか。
ネットで定義を調べてみても
・個人が行う仕事で、報酬を伴うか又は報酬を目的とするもの
・生計を立てるために日常的に従事している仕事
という定義が出てきます。
生活をするためにお金を稼ぐということが、「職業」というときの主な定義です。
そう考えた時に、どれだけの人が毎月「声の仕事」で収入を得ているのでしょうか?
そして、「どうしたら声で稼げるようになるか」を考えているのでしょうか?
事務所に所属しても、仕事をしなければ報酬はありません。
あくまで「雇われ」ではなく「個人業」です。
自分が仕事をするように動けなければ、収入にはつながりません。
そういった大事なことは「養成所」や「専門学校」では、ほとんど教えてくれることはないでしょう。
養成所や専門学校に通えば、事務所に入れる確率は多少上がるかもしれませんが、だからといって「声優」を名乗れるほど、声で収入が得られるかどうかは、また別問題なのです。
「声優学校ビジネス」の限界と今僕ならこうするという例
僕が声優を夢見てから20年以上が経ちましたが、この20年の間にも多くの声優学校が乱立しました。
それだけ「声優になりたい」と夢見る人たちが増えているからなのですが、実際に声優として活動ができる人が増えているかと言われたら、どうでしょうか?
新しい人は出てきても、その分消えていく人も多くいます。
事務所に所属できたとしても、仕事をしないまま引退していく人もいます。
声優学校のビジネスとして、かなり確立されてしまっていますが、一度真剣に考えてみた方が良いです。
果たして本当に、そうすることが声優になるための近道なのでしょうか。
声優専門学校の流れ

多くの場合、声優の専門学校に通った場合には、このような流れになります。
よくよく考えたらわかることだと思いますが、声優の専門学校に通ったからと言って、声優の仕事ができるようになるわけではなく、事務所に所属することから始まるわけです。
ということは、「事務所にそのまま入れるならそれに越したことはない」わけです。
所属までに5段階あるということは、それだけ時間とお金がかかるということです。
多くの場合、専門学校で2年、養成所で2年、最低でも時間とお金を拘束されるのです。
ということは、実はこのルートを選択するのは相当なリスクがあるということを理解しておく必要があります。
養成所の流れ

声優専門学校からの流れのうち2つがなくなるので、段階としては4段階になります。
これだけで、2年という期間の短縮と約200万円のお金の節約になります。
よくよく考えてみてください。2年という時間と200万円というお金があれば、どれだけのことができるでしょうか?
それを「夢見るお金」として浪費してしまうのは、僕個人としては非常にもったいないと思うのです。
最短で声優を目指すルート

僕は正直、このルートが今の時代では一番良いのではないかと思っています。
専門学校や養成所などに入学するのではなく、もっとリーズナブルで縛りのない演技レッスンに通うということです。
そもそも専門学校や養成所に「声優に憧れて」入る人のうち約3割は、「思っていたのと違う」と言って、1年も経たずに辞めていきます。
であれば、もっと手頃に「興味本位で飛び込める」ような演技レッスンで、チャレンジしてみるというのは、非常に良い方法だと思うのです。
声優学校のデメリット
専門学校も養成所も、所属を勝ち取るまでに時間がかかりすぎます。
しかも、その間しっかりとレッスンに通い続けなければならず、費用も高いのです。
そして個人的にはここが一番の問題ですが「縛り」があるのです。
多くの学校は、他の場所で学ぶことをあまり良しとはしていませんし、オーディションに応募することを認めないところも多い。
勉強していく中でチャンスがあったとしても、チャレンジさせてすらもらえないということもあるのです。
臨機応変にさまざまな対応が求められるようになった現代において、この縛りは致命的といえます。
まつやが今声優を目指すとしたら
今、僕が声優の道を目指すなら、そんな選択は取らないでしょう。
僕なら、縛りのない演技レッスンを提供してくれるところに通い、虎視眈々とオーディションを受けていきます。
もし自分に「向いてない」と思うなら、レッスンはいつでも辞められますし、「講師と合わない」なら、次のレッスンを探せばいいのです。
費用的にも時間的にも、それが一番良い選択です。
実際、昨年うちのレッスンを受けていたメンバーのうち2名が、昨年末に事務所に預かり所属になっています。
実力さえ高めることができれば、養成所や専門学校から出なくても、事務所に所属するチャンスはあるのです。
多種多様になった声優の道
「声優になるなら、専門学校に通わなきゃ」とか「養成所に入らないと事務所に入れない」というようなことは、少なくなってきました。
実際、僕の後輩は養成所に通うことなく、「個人的に鍛錬を積んで」、ゲームの公募オーディションで主役を射止めていましたし、その後マウスプロモーションへ所属しています。
学校に通うという固定観念をなくして、「本気で声優になるために努力する」ことができれば、いろいろな点から声優になるためのアプローチをすることができるのです。
それでも「声優だけで食える」かどうかは別の話です。
じゃあ、僕はどうかっていうと、少なくとも声関連のお仕事で、大学生のアルバイト代くらいは毎月ちゃんと稼いでいますので、僕1人なら最低限生活できるくらいには、なっています。
それがどれくらい難しいことなのかは想像にお任せしますが、好きな活動で少しでも収入を得るということであれば、きっとあなたにもできるのではないでしょうか。
でも少なくとも「声優になるための固定観念」は外していないと、前には進めないので、まずはそこから取り組んでくださいね。
