声優になりたいならこの考え方を身につけなさい
FavoriteLoadingお気に入りに追加

なんだか、書店にビジネス書として並んでいそうなタイトルで書き始めてみました。

Twitterで交流する講師の方々の発信からも、「こういう考え方ができるようになれば、声優としてレベルアップしていくのに…」というものを感じています。

それが今回、コラムにまとめようと思った「Why思考」です。

以前3つの思考法で紹介したものよりもちょっとコンパクトに、わかりやすく「コレ!」っていうものを書き上げていこうと思います。

現代人の「傾向」を観察していると…

最近の多くの人の発言を見聞きしていると、「言葉尻」や「単語」に大きくとらわれているように感じます。

しかし本来、そこには関係性や文脈というものが存在しているのです。

それがすっぽり抜け落ちているかのように、「目に見える表だった事象」しか読み取れない人、反応しない人が大勢いるのです。

今、目の前に起こっている「表側」のことしか見れないとすると、台本に書かれている「裏側」のことなど、決して考えることはできません。

もっと「裏側」を考えることができるようになってほしい。

それはきっと、多くの演技講師の願いでもあります。

考えること、頭を使うことは、人間が進化する中で手に入れた強力な武器です。

それを易々と手放してしまうことのないように、武器として使いこなしてください。

物事の表と裏を見るための思考の違い

例え話から始めましょう。

あなたはファミレスの店員だとします。

あるお客様が「禁煙席」を希望されたので、あなたはきちんと禁煙席へと誘導しました。

その後、そのお客様から呼び出され「この席は禁煙席ですか?」と質問されたとします。

さて、あなたはどう考えますか?

素直に質問に答える人

「この席は禁煙席ですか?」と聞かれたとき、「はい、禁煙をご希望でしたので、禁煙席でご案内しております」と答える人は、「表面的な事象」のみ捉えてしまう人です。

このタイプの人、または似たような傾向がある人は他にもこんな例があります。

  • 「⚪︎⚪︎さんがそう言ってたから」「××にそう書いてあったから」と引用回答する人
  • 長く続けられている慣習に対して疑問を抱かない前例主義の人
  • 見栄えや形式に囚われたり、個人的に固執したこだわりを持っている人

こういった人は、「表面的な事象」のみをみて、物事の判断を下すタイプの人たちです。

ここでは「が起こっているか?」「を聞かれているか?」「をしているか?」という「事象」を軸に考える人のことを「what思考」と呼んでいくことにします。

質問の意図を考える人

「この席は禁煙席ですか?」と聞かれた時、「もしかして、たばこの匂いがするのかな?」と考え、「こちら禁煙席ですが、たばこの匂いなどされましたでしょうか?」と掘り下げて質問できる人は、「目に見えない裏側」を捉えようとする人です。

表に見えているものだけでなく、その目的や、背景理由など、目に見えていない裏側を捉えて考える人のことを、「Why思考」と呼んでいくことにします。

What と Why の違い

What思考とWhy思考の違いを表にまとめてみました。

What思考の声優がやりがちなミス

1.What思考の声優は、とにかく「音」にこだわる

もちろん最終的には音は大事なのですが、「どんな音で喋るか」は表面事象であって、その音になる理由や背景はまったくありません。

2.What思考の声優は、自分のセリフだけ考える

演じるときには、シーンがあり、ストーリーがあり、そこには物語としてさまざまなものが関連し合っています。

自分のセリフばかりを考えても、それは「点」で捉えているだけで、物語を線で繋いだ時に歪になってしまっては元も子もありません。

3.What思考の声優は、セリフに書いてあることを鵜呑みする

セリフとして書かれているものは、100%本心というわけではありません。

ですが、書かれているセリフを100%そのままの気持ちで表現してしまう人がいます。

セリフの多くは「タテマエ」であって、ホンネではないのです。

Why思考の声優が取り組む方法

1.Why思考の声優は、理由や背景を考える

このセリフを言う時、「このキャラクターは何を考えているのだろうか?」「どんな状況に置かれているのだろうか?」「何を感じているのだろうか?」といった、理由や背景をしっかりと考えます。

その上で、それがしっかりと表現できる「音」を探りにいくのです。

2.Why思考の声優は、シーンや全体を考える

ストーリーの流れを考えて、シーンの構成を考えて、ここで求められていることは何かを、しっかりと理解して演技に取り組みます。

3.Why思考の声優は、セリフの裏を読もうとする

セリフを言葉通りに受け取るのではなく、「そのセリフの本心は何か?」「真意はどこにあるのか?」を、しっかりと推考します。

What思考のレッスンとWhy思考のレッスン

演じるあなた本人だけでなく、演技講師にもこの2つの思考パターンがあります。

What思考のレッスンでは、主にディレクションが中心となります。

それが悪いとは思いませんが、ディレクションはその場限りの「点」であることが多く、ディレクションに対応していくばかりでは、自分で演技プランを構築していくことはできません。

一方Why思考のレッスンでは、自分自身の演技に対する振り返りが中心となります。

どうしてそのようなプランにしたか、実際取り組んでみてどうだったか、その取り組みが外からはどう見えたか。

そういう試行錯誤のサンプルを自分の中に蓄えていき、答えを導き出すために必要な経験を積んでいくのです。

 

さて、ここまで読んでみて、あなたはどちらのタイプでしょうか?

What思考?Why思考?

もしWhat思考の傾向が強いと感じるのであれば、今回の記事を参考にWhy思考で取り組めるように意識していってください。