
お気に入りに追加前回の木曜レッスンで「虫の目と鳥の目」というお話が出たので、改めてまとめておきます。
主観と客観と俯瞰、それぞれ必要な要素ですが、成長のステップとしては
- 主観
- 客観
- 俯瞰
の順番で取り組んでいく必要があります。
主観が虫の目、客観が鳥の目、俯瞰が魚の目と、置き換えて考えてみたらよいかもしれません。
普通鳥の目が俯瞰だろっていうツッコミはナシでお願いします笑
読んでいただいたらわかると思うので、ひとまず読んでみてください。
もちろん、それぞれどこが得意かというのは人それぞれあるでしょう。
ですが、最終的には全部バランスよくできることが求められます。
主観的に演じる
まず、最初のステップは、主観的に演じることです。
あなた自身が役と寄り添って、あなたの身体と声と感情を使って、演技を行います。
その場であなたが感じているもの、考えていること、やりたいこと、そういうあなた(と役)が中心になって演じるということは、もちろん必要です。
まずここが足りない人は、演じていてもどこか冷めた印象を与えてしまいます。
本当にそう思ってる?嘘でしょ?
という感想を、見ている人に抱かせてしまいます。
だからこそ、最初のステップは、主観的に演じることです。
ですが、この「主観的」だけではうまく演じることはできません。
主観的に演技ができるようになったら次のステップが待っています。
演技とは、実際のところ相手とのバランスや状況における最適解など、さまざまな要因が発生します。
それを無視してまで「主観的」を優先してしまうと、どうしても「独りよがり」になってしまいます。
まずは素直に感じること
主観的に演じるためには「あなたが素直に感じる」ことが大切です。
多くの人が「頭で考えること」を先にやりますが、それよりも「どう感じたか」の方が演じる上では重要なのです。
頭で考えると、その場にいる役ではなく、あなたが客観的に見ていることになります。
それは次のステップです。
多くの人は、感じることよりも考えることを優先しています。
頭と心が一致できていれば問題ないですが、現代社会に生きていて、それができている人はほとんどいません。
多くの人が「感じない」ように生きているのです。(その方が楽ですしね)
ですから、まずは「ちゃんと感じる」ということが大切です。
次に、素直に出すこと
素直に感じることができたら、今度は「素直に出す」ことです。
多くの人が「心のブレーキ」によって、表現することをためらいます。
しかしあなたがためらっていては、演技はできません。
社会で生きていく上で「感じたことを隠す」とか「体裁のために感情を殺す」ということは、日常茶飯事でしょう。
それが癖づいてしまうと、出さない癖が身についてしまい、最終的には「何も感じなくなる」のです。
それでは演技をしようという心と体ではなくなってしまいます。
ですから主観的に演じるためには「感じる」→「出す」というステップが用意されています。
客観的に演じる
次は客観的に演じることです。
多くの人は、ここから取り組もうとしますが、なかなかうまくいきません。
客観的であるということは、「心が冷静である」ということと近い状態だからです。
頭と心を同時に使うということは、日常ほとんどありません。
頭を使っているときは「冷静」、心が動いているときは「感情的」というように二極化されています。
ほとんどの場合、日常で「頭を使う」場面では心は使わないようにしています。
つまり「客観的」から入ってしまうと、感情表現やリアクションという点で困難を抱えます。
そういう際には「頭を使わずに感覚的優先のエクササイズ」を行うことで、感覚的に掴んでいくということが必要になります。
客観的に演じることの共通点
客観的に演じるということの共通点は「冷静に周りを見る」ということです。
最初の問題は、冷静に考えるために「心が動かない」ということです。
これは「主観的に」の視点が抜け落ちてしまうために、目の前の事象から「感じる」ということが抜け落ちてしまうからです。
ちなみに、慣れないうちから「イメージしよう」という意識が強すぎることも、「主観的な演技」の妨げになります。
まずはイメージすることに重きを置くのではなく、最低限のイメージが持てたら目の前のことに集中して感じること、その感じたことをあなたが素直に出すことを心がけましょう。
客観的に演じることの段階
主観的に感じることと、客観的に見ることが両立できるようになってきたら、次は「バランスを取る」ということができます。
主観的に演じる場合、相手に任せて演技をすることになりがちです。
自分の演技がどう変化するかは相手頼みになります。
最初はそれでも大丈夫です。ですが、そのままでいいわけではありません。
いずれあなたにも後輩ができ、自分よりも未熟な人と相手をすることになります。
そのときに相手を引き上げる演技ができるかどうかは「客観的に演じる」ことが意識できているかにかかっています。
例えば、相手の役者が少し鈍い反応を示しているのであれば「もっと強く」相手に働きかける必要があります。
それはそのシーンで見せなければいけないものを見せるために「バランスを取る」必要があるからです。
舞台だとわかりやすく「立ち位置」の問題が出てきます。
- 客席に顔が見えないから表情の演技が見せられない
- 舞台上でかぶっているので自分の演技が見てもらえない
- 動線上に立っているので、相手の動きを邪魔している
そういうことは客観的な視点があればできるようになってきます。
客観的な演技とは「見せ方を計算した演技」
客観的な演技というのは、最終的には「今ここでどう見えているか」を計算できるかどうかということです。
頭を使って演技をするというのは、この計算を心を動かしながら瞬時に行わなければなりません。
自分がどう見えるか、相手をどう見せるか、今この状況は客席からどう見えているか、視聴者にどう聞こえているかという視点が持てるようになると、客観的な演技ができるようになります。
俯瞰で演じる
最後のステップは俯瞰で演じるというものです。
これは監督や演出家の視点で演技をコントロールすることです。
だいぶ段階が高いので今すぐ意識しろというのも難しいですから、そういうものなんだと頭に入れるくらいで良いです。
客観的は「今、この瞬間の見え方」「このシーンを通しての見せ方」というその場でのものですが、俯瞰的な視点があると「作品全体を見た時のバランス」まで考えられるようになります。
監督や演出家は全体のバランスを見て、作品そのものを構成していきます。
最終的には、そこまで計算ができれば、演技としてやるべきことは自ずと見えてくるものなのです。
それは全体の流れで見た時に「ここではこれが必要だ」という判断ができ、そのために的確な表現をするという技術が求められます。
3つのバランスを考える
主観、客観、俯瞰が大切だというのはわかったとして、どれくらいの配分にするのがよいでしょうか?
最初は主観100%でもいいでしょう。
逆に客観100%では演技はうまくいかないことも想像できると思います。
理想は主観70〜80%、客観20〜30%くらいではないでしょうか。
俯瞰の視点で演技ができるようになったなら
主観70〜80%、客観10〜20%、俯瞰10〜20%の中でバランスを取ることになるでしょう。
70:20:10なのか、80:10:10なのか、70:15:15なのか、人によっても変わってくるでしょう。
正確な数字を計測することは困難ですが、どれくらいの配分を意識するとうまく演じられるかは、レッスンの中で自分で探していくと良いでしょう。





